トライアルを通過するには
2009年 12月 06日
1.ダメな訳文(英日)
まず直訳調の訳文で、内容を理解せず表面的に訳しているため、訳文だけ読んでも理解不能なもの。
次に専門用語の調査が不十分で勝手な訳語を創作しているもの。
実際、不合格になるのはこの2点がほとんどです。それと、このような場合、必ずと言っていいほど、誤訳があります。
2.ダメな訳文(日英)
これも英日の場合と同様、直訳調のものはダメで、英文としてすんなり意味が通じないものは点数がとれません。多くの場合は英訳を読んでも何が言いたいのかわからず、原文を見てようやく言いたいことがわかるという感じでしょうか。
3.合格する訳文
訳文だけ読んで自然に内容が理解でき、説得力のある文章で、かつ原文の内容を過不足なく伝えているもの。また、専門用語が正しく使われているもの。実際、そういう訳文に出会うと嬉しくなりますが、これまでのところ、感心するような訳文に出会ったのは全体のうち3~5%程度。で、何とかぎりぎりで合格か、というのは審査したうちの10%程度でしょうか。
なお、私の場合、仮に多少の訳抜けがあるような場合でも、それ以外の部分が優れていれば合格にしています。逆に、どうしても合格にできないのは不真面目な翻訳態度が見えるもの。トライアルを甘く見て、いい加減に訳したり、ろくに用語の調査もしていない場合などです。そういうのはすぐに分かります。
トライアルの審査をされている由、翻訳会社の信頼がいかに厚いかの証でしょうね。
私も受注の間口を広げるため、また自分の実力を客観的にチェックする意味でも昨年来、ちょこちょことトライアルを受けています。概ね打率7割というところですが、ちょっと気を抜くととたんに不合格の結果が待っています。ただトライアルに通ったあとの登録時点では最近我が目を疑うようなレート(もちろん安い方)の提示がかなりの頻度であり、いささかびっくりしています。そんなレートを提示してくるのは、ある程度の目算があるのでしょうか。駆け出しの翻訳者が受けているとしたら、問題は深刻ですね。そんなレートで精いっぱい働いても安定した生活など望みがたいと思うからです。ちょっと愚痴っぽくなりました。すみません。
最近のレート低下傾向は気が重いですね。この調子で今後も下がっていくと、本当に安定した生活が脅かされる事態になりかねませんし、翻訳業界?全体の品質低下につながりそう。私もまだ今のところは何とかなっていますけど、丁寧な仕事をすればするほど、収入が低下、というのは何とも情けない。
すみません。私も愚痴になってしまいました。
わたしも夏くらいに受けたトライアルの結果を最近受け取りました。
今回はめでたく登録となったのもつかの間、提示レートを見て驚きました。3年前の開業時のレートより、20%も低いものでした。
(とりあえず、登録はしておきましたが・・・)
で、ここで終るとなんだかどんよりした空気で終ってしまうので、
明るい話題を。
ここ最近は、海外のエージェントがメインになりつつありますが、そのうちの二社に価格交渉をしたところ、数日待たされた後、希望レートを受け入れてもらいました。
あいにくのドル安ですが、1ドル=85円で計算しても日本の一般的なエージェントよりは、20%程度割り増しの計算です。
今後しばらくは、自宅にいながら『海外逃亡』でうまく乗り切れたら、と切に願っている次第です。
私は最近は複数の決まった会社のお仕事のみを行っており、トライアルは受けていません。
今年の前半はこれまでにないほど仕事量が減りました。後半になって少し持ち直しました。レートについては今のところ現状維持の状態です。翻訳会社の側は苦しい状態かもしれません。
多くの方と共通するかもしれませんが、私のやり方を紹介します。原文の電子ファイルがある場合には、パラグラフごとに原文の後に続けて訳文を書いていきます。全部書き終わった後で原文と訳文を照合しながら原文を消していきます。最後に残った訳文のみを読んで、理解しやすいかという面を含めて見直しを行っています。この方法をとることによって、訳抜けの可能性を減らしています。
と言ってももう開戦記念日になってしまいましたが。。。
皆さん、それぞれ事情が異なり興味深いです。太鼓酢さん、海外のエージェントがメインになりつつあるとのことですが、海外のエージェントとの関係はどのようにすれば築けるのでしょうか。(Yoshiさん、軒下を借りて恐縮です。)差し支えない範囲で簡単にヒントを頂けたら幸甚です。
LimiLimaさんの方法は、インタフェース的にはTradosを使う場合と似たような感じです。Tradosの場合は最後に一括で原文側を消してくれる、ということぐらい。翻訳を進めていく作業手順としてはLimaLimaさんの書かれたとおりになります(私の場合)。
海外エージェントの話はよく耳にしますけど、入金の方法とか連絡とかが面倒な気がするので私の選択肢からは外れていますけど、レートが良ければ考えてみる余地もありそうですね。
海外のエージェントですが、きっかけはPRoZでした。そこで、とあるプロジェクト(総勢10名以上)に参加し、それを機会に知り合った方からお仕事を紹介してもらったりして幅が広がりつつあります。
PRoZは、最初の2年ほどは無料会員でしたが、今年から有料会員に切り替えました。
Yoshi さま
わたしも最初は同じ意見でしたが、特にアメリカのエージェントなどは、支払いはかなりシステマチックに物事が進みます。仕事に対する真摯な姿勢がきちんと伝わってくるところもあります。こうした取引先は、国内・海外を問わずに大切にしたいな~と思います。(連絡の返信も迅速ですし、時には、担当者と子供の話をしたりすることもありますしね)
この話題、長くなるようでしたら、『翻訳フォーラム』の方で展開すればさらにいろいろな方のお話がきけるかもしれませんね。
Yoshi さんのところは、居心地が良いので書き込みやすいのですけど、あまり長くなるといけませんよね。
取り急ぎ、何かの参考になれば幸いです。
ご丁寧なレスポンスありがとうございました。了解しました。私も約20年の海外生活で海外に知り合いも結構居るのですが、翻訳の仕事場を海外に求めるという発想は湧きませんでした。大変参考になりました。
〇学歴
杏林大学保健学部救急救命士課程卒
東邦大学医学部医学科中退(3年時)
新潟大学医歯薬総合研究科大学院修士課程一年生
〇英語関係の資格
TOEIC715点
〇アピールなど
医学部で学んだので医学の基礎的な背景知識は持っています。またNatureなどの医学論文を日常的に読んでいます。
TOEICの点数が低いのは自覚しているのですが落選の理由として主にどこに問題があるでしょうか?
トライアルを受けようとして門前払い、ということですよね。おそらく、先方にはそれなりの基準があってのことでしょうが、その本当の理由は分かりませんし、正直、想像もつきません。
ただ1つ言えることとして、TOEICの点数はたしかに低いようですね。その点は弱いと思います。英語の基礎力ということで見られれば、直ちに戦力として翻訳を任せられるとは思えないかもしれません。
それと、在学中ということですから、社会経験がない、ということも先方から見ればかなりマイナス要素ではないかと思います。
将来的に翻訳業を目指すのであれば、まだお若いのですから、じっくり腰を据えて英語の力を伸ばすことを考えてみてはどうでしょうか。その前に、まずはご自分の現在の翻訳力がどの程度なのか、何かで試してみることも大事です。探せばいろいろな機会があると思いますし、翻訳学校みたいなところに入ってしっかりした先生に見て貰うのも1つの方法だと思います。地方だと通えるものは少ないかも知れませんが通信講座ならいろいろあると思います。受講料が高いものはあまりお薦めできませんが(^^)
お返事になっているかどうか分かりませんが、1つぐらい門前払いを食っても気にすることはないので、ぜひ頑張ってください。それには時間をかけて力を蓄えることが一番の早道かと思います。
取りあえず実力試しにほんやく検定を受けてみようかと思います。
通信の医療翻訳のサンプルを見たのですが、正直簡単な内容のようで…正直お金を払う価値があるのか少し疑問でした。サンプルを見ただけなのでまだ分かりませんが。
通信も一つの選択肢に加えたいとは思っております。ご返信有難うございました。