Trados 2017に切り替えた
2016年 11月 23日
ところが、はじめは恐ろしく使い勝手が悪く、いたるところで止まってしまう。それでも使い続けて、「やってはいけない操作」がいくつかあり、それを避けて通れば問題ないことが分かってきたのは2~3ヶ月後。その後、使い方にも慣れたので自分で購入。それからずっとTradosユーザーなので、今更ほかの環境では仕事にならない。
Tradosには良い面も悪い面もあると思うが、1つにまとまった翻訳環境として考えたとき、自分にはこれ以外の選択肢はなく、仕事はほぼ100%、Tradosのお世話になっている。ただしTradosが前提の仕事や、一致率でレートが下がるような仕事は受けていない。あくまで、自分が仕事をする上で最適と考えて選んだ環境に過ぎない。最近は使い勝手が良いと評判のmemoQへの移行も考えないではないが、使い慣れてしまうと別のツールに移行するのは億劫だ。TMの移行も面倒だし。
TMの資産はほぼ100%自分が作ったもので、多少の重複はあるものの、Xbenchの読み込みでチェックしてみたら700万件は超えていた。これが14年間の蓄積。ただ、そういう蓄積されたTMがそのままの形で役立つことはほとんどない。どうやら、自分の頭の中から出てくるものの方がまだ幅が広いような気がする。ま、たまに過去の自分の訳を見て感心してしまうこともある。どうしてこんなにうまく表現できたのだろうとか。もちろん、その逆もある。
TMが役に立つのは、同じクライアントの同じ種類の仕事の場合にほぼ限られるが、そういう場合の威力は絶大だ。同じ企業の決まり切った繰り返しの資料、定期的に発行される通知や社内規程、同種のマニュアル、各種の改訂版など、繰り返しが多い場合のスピードアップ効果は大きい。この仕事を長く続け、同じクライアントからリピートをもらえるようになればTMが生きてくる。
何回かバージョンアップして、一番長く使ったのがTrados2007だと思う。そこからTrados Studio 2014に移行したのが1年ほど前。いろいろ不満はあるものの、なんとか慣れてしまった。更にTrados Studio 2015にバージョンアップ、しかし、ほとんど何も変わらなかった。
今回のTrados Studio 2017へのバージョンアップは、これまではできなかった、改行で切れてしまった文節の結合ができるようになったのが自分にとって唯一の利点。もちろん、Tradosの使い勝手の悪さはそのままなのだが、ある程度それに慣れてきた自分にとってはその方がありがたい。使い始めてからまだ1週間ほどなので、いずれ使い方の注意点などもまとめておこうかと思うが、文節結合機能のおかげで、これからしばらくはTrados Studio のお世話になりそうだ。
しっかり種蒔きした春菊。大きく育ってくれればいいが。