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ベランダで作る野菜の記録


by yoshi09001

ネイティブチェックについて(メモ)

最近は英訳仕事のとき、ソークラとの直接取引ではネイティブチェック(英文校正)を付けることが多くなった。そこで、技術論文の英訳を何件か続けた後で感じたことを書いておきたくなった(思いつくまま、まとまりもなく、たぶん長文)。

1.チェッカー(Proofreader)からのフィードバック

チェックに出すことのメリットとして第一に挙げられるのは、一般の人(対象となる読者)が読んで読みやすいか、内容を正確に理解してもらえるか、という面でのフィードバックが得られること。

チェッカーが「ここはよく分からない」とコメントしてくれれば、別の分かりやすい表現を考えて再度見てもらい、「すごくよく分かるようになった」となって完了。お互いに納得する。あるチェッカーさん(Aさん)とはその関係が実にうまく機能していて、表面上の修正だけでなく、そのようなコメントをたくさん付けてくれる。それは内容を理解しながらチェックしているからで、特に難しい技術的内容でも、分からないところは(専門外だから)分からないと言ってくれるのがありがたい。また、このままで問題ないが、こういう言い方もある、という形で代案を示してくれるのも嬉しい。ただし、このAさんの仕事はとても丁寧なので時間がかかるし、その結果を確認するのにも時間がかかる。

一方、最近初めて仕事を依頼したチェッカーさん(Bさん)からは、コメントが一切なかった。英語の品質が高く軽微な変更だけだったので、コメントは不要だったとのこと。それはありがたいのだが、何となく消化不良な気もした。また、修正された部分を見てみると、その修正によって意味が違って受け取られかねない部分もいくつか見つかり、結局は元の表現に戻す場合もあった。おそらく、内容をよく吟味していなかったか、技術的内容がしっかり理解できていなかったのではなかろうか。このBさんの仕事は早いし、その結果を確認するのも簡単だが、よく見ないと危ない。

いずれの場合も、チェッカーが行った修正をもう一度見直す作業は欠かせないものであり、そのプロセスを通じて更に翻訳物の品質を高めることができる。さて、一般の翻訳会社ではどうだろうか。当然ながら翻訳者の納品物に対するネイティブチェックは行っているはずだが、その結果が納品前に翻訳者にフィードバックされることは滅多にない。これまでの翻訳生活17年間で考えてみても、数えるほどしかなかったし、あった場合も特定の部分についてだけだった。

そういえば、一度こういうことがあった。ソースクライアントから問い合わせがあって、この部分は違うのではないかとの指摘なのだが、そこを調べてみると、自分の訳ではそうなっておらず、どうやらチェックで間違ってしまったらしいということが判明。困ったのはコーディネータさんで、その先のことは知らないのだが、どうしたのだろう。

そのようなことを考えると、特に英訳の場合は、翻訳会社に出すよりもネイティブチェック付きで特定の個人に直接発注した方が依頼側にとってメリットがあるのではないかと思う。

ネイティブチェッカーは、ある意味では編集者としての役割も持つ。一般に編集者と筆者とのあいだでは様々なやりとりが欠かせないはずなのに、こと英訳におけるネイティブチェックは一方通行になりやすい。これはかなり問題だと思う。

2.チェッカーの能力と好み

上のAさんの場合、表現上の代案を示すだけで、無理やり自分の好みに従って修正することはほとんどない。一方のBさんは、割と自由に修正するのだが、必須の修正というものではなく、自分の好み(読みやすさ)を重視しているようだった。最終的にどうするかは翻訳者次第なのだが、自分としてはAさんの仕事の方に好感が持てる。

3.レート

クライアントから受注するときの単価(レート)に対するチェッカー単価の比率はどうか、許容範囲はどこまでか、ということをよく考える。もちろんネイティブチェック料金を上乗せした単価でお願いしているのだが、単にチェッカーに支払う金額の問題だけでなく、それに伴う付加作業(チェッカーとのやりとり、再チェック、修正等)が大きい。それでも、コスト/納期的に可能であればネイティブチェックは入れるべきだと考えている。


もう紫陽花が咲き始めた(写真のない投稿は寂しいのでw)。

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by Yoshi09001 | 2019-05-19 08:02 | 翻訳 | Comments(0)